|
2007年 06月 19日
昨日、静岡のパソコンがあまりに能率が悪いので、思い切ってメモリーを増設することにした。
何だそんな事か、とお思いの諸兄も多いと思うが、なにせ団塊の世代の私にとって、パソコンの箱を開けるということはなかなか勇気のいる事なのである。 我々が過ごした少年時代は、いわゆる真空管時代からトランジスターというものに移行する時代であって、まだまだ「電気の通り道」というものが肉眼で確認できた平和な時代なのである。 スイッチを入れれば、真空管のほのぼのとした光が、冷たかったアンプやラジオに生命の活動が開始したことを感じさせてくれた。 だから修理をするにも、傷の手当てをするように血を通わせながら悪戦苦闘する事ができたのだ。 しかし、今のハイテクノロジーによって産み出されたさまざまな機器は、異次元空間からもたらされたかのような冷ややかさで仕事をする。 一見なんでもない壁からいきなり絵が映ったり、腕時計が歌い出したり、風呂に入れば「お湯の温度は・・・」とメイドのように細やかに気遣ってくれる。その仕事ぶりはまさに驚天動地である。 僕の使っているパソコンは真っ黒なボディの大きなデスクトップタイプなので、さながら「ブラックボックス」である。 「マイクロチップ」なんていうロボットが作り出した板を見ていると、こんな食べられない煎餅みたいなもので昔の真空管たちが一生かかっても出来ない仕事をやっているんだと思うと、薄気味悪くて、多少能率が悪くても恐れ多くてとても開腹しようなどとは思ってもみなかったのだ。 しかし、そんなことは意にも介さない現代っ子の生徒たちに促されて、ついに禁断の箱を開けることになった。 手術はあっけなく3分で終わって、パワーアップしたパソコン君は前にも増して生き生きと仕事をしてくれている。 今は「やってみるもんだ」という、少し成長した自分に対するささやかな満足感を感じている(笑)。 親しくなったパソコン君に名前をつけてあげよう。 「黒べえ」はどうだ。
by matocello
| 2007-06-19 11:50
|
ファン申請 |
||